自律神経失調症、心身症、適応障害とは?

2017年5月16日号
土浦市医師会 塚原靖二(土浦厚生病院)

Q  この頃、やる気もなく、能率があがりません。頭重感、食欲不振も続いています。自律神経失調症、心身症、適応障害かもしれないと言われました。どのような病気でしょうか?

A  自律神経失調症、心身症、適応障害はいずれもストレスが原因で発症する病気です、その特徴について、お答えします。
 自律神経失調症は、周囲との人間関係、環境変化などのストレスが原因で、自律神経系が不安定になり、頭重感・めまい・吐き気・下痢など自律神経症状が出現します。さらに、ストレスが続くと、心身症となり、慢性胃炎、高血圧症、過敏性腸症候群などの身体的な病気が引き起こされます。適応障害は身体的な症状に加え、不安感、いらいら感、抑うつなどの精神症状や社会的問題行動(遅刻、欠勤、浪費、アルコール乱用、ギャンブル依存、ゲーム依存)が出現します。新入学生、新入社員に起こる5月病は、この適応障害の一種です。精神症状としては、「やる気が出ない」、「イライラする」、「物事がおっくう」、「不安感、あせり感」などです。身体症状としては、「頭重感」、「食欲不振」、「めまい」、「動悸」などです。これらの症状はうつ病に似ていますが、うつ病ほど深刻ではありません。真面目、几帳面、神経質な方がなりやすいとされています。
 これらの病気を予防するにはストレスとの付き合い方が重要です。①完璧を目指さず、「明日があるさ」的な気分で取り組むこと。②自分の長所を認め、出来なかったことより、出来たことを重視すること。③自分の時間を大切にし、気分転換を心がけること。もし適応障害になってしまったら、休養、睡眠、栄養を十分にとることが第一です。一人で悩まずに、ご家族や友人に相談することも有効です。なお、症状が2週間以上続く場合や自殺を考えるような場合は、早めに専門医(心療内科、精神科)にご相談ください。