水虫について
2006年8月15日号
土浦市医師会 倉持政男(かすみ皮膚科クリニック)
水虫とは、真菌類(カビ・酵母など)の仲間である皮膚糸状菌、通常白線癬菌が身体の最も表層である角層や、時には、毛髪などに寄生して怒る病気です。これらの部分には、 ケラチンという白癬菌の好むタンパクが多く含まれているため水虫にとっては環境の良い場所なのです。
この角層は、毎日‘アカ”や‘フケ”となって、脱落し床などに散らばります。したがって、水虫の人が暮らしている場所や人がたくさん集まる場所の床からは白癬菌が見つかります。 しかし、角層に傷でもない限り洗えば落ち、すぐに感染するわけではありません。
それでは、水虫でどうのような症状が見られるか、部位別に主なものを紹介します。
●足白癬(通称水虫)
第4趾と第5趾の間がふやけた状態になる趾間びらん型、土踏まずや足の辺縁に小水疱が多発し、夏に増悪し冬に改善する小水疱型、足の裏、特に、踵で角質が厚くなり、 がさがさした状態となる角質増殖型の3つの病型に分けられます。
●爪白癬
足の爪に多く、大部分は爪の先端から白濁し、もろくなって進行していきます。
●体部白癬(たむし)、股部白癬(いんきんたむし)
体や股部で、次第に広がっていく環状で周辺がややもりあがった特徴的な症状が見られます。近年では、犬や猫に寄生する白癬菌によるものも増えてきています。
以上のような症状が見られますが、水虫の診断は皮膚の症状とともに皮膚や水泡の一部をとって直接顕微鏡で白癬菌を調べることが大切です。
診断がついたら、まず、足をよく洗い清潔にし、乾燥させるように心がけてください。治療は、外用薬(ぬり薬)が中心になりますが、爪白癬や角質増殖型では内服を併用することがあります。 多くの患者さんはある程度の症状が改善してくると外用薬を中止してしまいます。 この時点では、菌が残っていることが多く、しっかりと治療を続けることが大切です。