小児喘息について
2006年4月18日号
土浦市医師会 廣田浜夫(ひろたこどもクリニック)
喘息は簡単に言うと、気管支が狭くなって発作性に呼吸が苦しくなり、ゼーゼー ヒューヒューという音がきこえる病気です。発症年齢は5歳以下がほとんどで、小学校に入ると少なくなります。また、10歳代で約70%は改善します。
発病には、三つの因子がかかわっています。
一つ目は、気管支に炎症を起こす物質 アレルゲン(ダニ、ハウスダスト、スギや、卵などの食物など)。
二つ目は、アレルゲンに反応しやすい体質(アトピー体質、遺伝的な因子)。
三つ目は、アレルゲンに対する反応をより敏感にしやすくする因子(タバコ、大気汚染、台風やウィルス感染など)です。アレルゲンにはいろいろなものがありますが、子どもの喘息の8割から9割はダニまたはハウスダストが原因です。
喘息管理の基本は、1つ目(アレルゲン)と3つ目の因子を回避、除去することです。しかし、実際には難しいことが多く、薬を使ってコントロールするころが多いのが実情です。
喘息の治療にはいろいろなものがありますが、最近は副作用の少ないステロイドの吸入を早期から行う傾向にあります。治療については、かかりつけの先生とよく相談して行うこと、また、勝手にやめたりしないことが大切です。長く使う薬については、充分な説明を求め、納得した上で使用しないと長続きしません。また、アレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎を伴うことも多いので注意が必要です。
最後に学校生活では、保護者、主治医、学校関係者が緊密に連絡をとりあって、喘息の子どもに対応していくことが大切です。遅刻、早退、欠席が多くなることを前もって理解してもらい、また授業中に発作が悪化した場合の対応も、前もって話し合っておきます。それにより、欠席が少なくなり、体育、学校行事や郊外活動への参加が可能となります。学校は、教育ばかりでなく社会に適応できるようになるための準備の場としても重要です。そのためにも、できるだけ積極的に学校生活に参加させてあげることが大切です。