高血圧Q&A
2003年2月18日号
土浦市医師会 遠藤博(遠藤内科クリニック)
Q 血圧には上と下があると聞いていますが、分かりやすく説明してください。私は高いほうの数値だけ気にしていますが、それでよいでしょうか。
A 血圧は心臓に続く動脈の中を流れる血液の圧力を示しますから、心臓の動きによってたえず上下しています。つまり心臓が収縮する時、動脈に最大量の血液が押し出されます。このときの血圧が上の血圧(医学的には最大血圧、もしくは収縮期血圧)ということでありまして、逆に心臓が拡張して血液をためている時の血圧は最も低く、最小血圧あるいは拡張期血圧といわれます。実際問題としては、上の血圧も下の血圧も同じくらい大切です。特に下の血圧(拡張期血圧)が95を超えるような場合は、医師の診察を必要とすると考えてください。この場合は心臓、肝臓、脳などに合併症が多いからです。
Q 私はデジタル式の自動血圧計でいつも血圧測定を行っていますが、この種の血圧計はせいかくでしょうか。
A 信用してよいでしょう。従来医療機関で使用されていたものにはマンシェット水銀柱のもの、アネロイド式などがありますが学術目的で厳密な数値を必要とする場合はサンボーン・マノメーターという針を上腕動脈に挿入して時々刻々に変化する血圧を求めますが患者の動脈にその都度針を刺すため反復して行うには不適当ですし、結果の数字をマンシェット水銀柱の血圧計と比較して殆ど誤差は認めません。
Q 私は年に一回健診で血圧測定を受け、いつも異常なしと言われていますがそれだけで安心していてよいのでしょうか。また、どのような症状があったときには医師などの診察を受けるべきでしょうか。
A 血圧は心臓、肝臓の働き、動脈の弾力性、血液の粘性、気温の高い低い、睡眠不足、日常の食事の状態、測定する時の精神的緊張など約22の因子によって決定すると言われています。ですから、測る機会は多いほどよいわけです。特に高血圧と言われている人は毎日一回起床時、あるいは毎日起床時と夕飯前くらいに測るとよいでしょう。
Q 血圧は春夏秋冬で高さに変動がありますか。
A 正常血圧の人は季節による変動は殆どありません。高血圧の人、またはそれに近い人は冬の寒い時が最も高いのがふつうです。
Q 私は限界高血圧あるいは高血圧予備軍といわれていますが日常生活上での注意とくに食事の関係について教えてください。
A 悪いほうから述べると(1)便秘の際、いつも力んでやっと便が出る、(2)種々のストレス蓄積、(3)厳寒酷暑のスポーツ、(4)睡眠の不規則、(5)塩分、コレステロールなどがありますが、その人によって大きな差があらわれますから自己治療法はやらないようにしましょう。