緑内障と診断されたら
2002年11月15日号
土浦市医師会 本橋正四郎(本橋眼科)
最近、緑内障と診断を受ける方が増えております。これは以前ですと、眼圧が高いと診断された方が大部分でした。今は眼圧がそれほど高くなくても、視神経の異常と視野欠損で診断が下されるようになってきたからです。緑内障イコール失明というイメージを持っている方が少なくありません。しかしそんな事はありません。大事な事は緑内障の病名がついたかではなく、どの程度の症状かを知ることです。典型的な緑内障は眼圧が上がって、視神経がやられて最終的に視力や視野が失われます。順番を逆にすると緑内障で最後にだめになるのが視力です。最後の段階で視力を失います。その前に見える範囲が狭くなります。端の方はもともとぼんやりして見えますので、この自覚症状はなかなか自覚できません。視野検査は半年に一度ぐらい調べる必要があります。視神経はもともと丸い形をして真中がへこんでいます。これが乳頭陥没でこのへこみが問題になります。神経が減ってくるとこのへこみが増えることになります。
具体的に数値としてあらわれるのは眼圧です。緑内障の中には急性緑内障と言って、眼圧が急激に上昇して一晩で失明してしまうものもありますが、大部分は徐々に上がっていきます。正常は21㎜Hg以下と言われています。しかし、緑内障の人は視神経が弱くそれ以下でも視野欠損が進んでしまう人もいます。その眼圧が人によって異なってきます。なるべく低ければそれにこしたことはありません。日常生活は特に気をつけることはありません。しかし、唯一タバコは悪影響があることがはっきりしています。水分やコーヒーのとりすぎはよくないと言われていますが、過度にならなければ問題ありません。ただ緑内障は感情に影響されやすい病気ですので、些細な事を心配したり、病気を悲観したりすることなく、リラックスした気持ちをもって付き合うことが大切です。