帯状疱疹について

2023年7月19日号
土浦市医師会 遠藤慶祐(しほう医院)

 帯状疱疹という病気はご存じでしょうか?

 帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気です。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは神経節に潜伏していて、過労やストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化して発症します。

 体の左右どちらかの神経に沿って、赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に生じ、ピリピリと刺すような痛みがでて、夜も眠れないほど痛みが激しい場合もあります。多くの場合、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によってその後も痛みが続くことがあります。

 また、発症する部位によっては、目の症状や耳鳴り、めまいなど、さまざまな合併症を引き起こすことが知られていますが、できるだけ早く治療を行うことによって、その後の症状を改善できる場合もありますので、早めに受診をしましょう。

 帯状疱疹は50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症すると言われている誰でも発症する可能性のある病気です。日本人は成人の90%以上が抗体を持っていますが、獲得した免疫は年齢とともに弱まり、帯状疱疹を発症してしまうリスクが高くなる傾向があります。また、一度帯状疱疹になった人でも、体の免疫力が低下すると再び発症する可能性があります。

 ワクチン接種は、免疫の強化を図り、帯状疱疹の発症や重症化予防に効果があります。ただし、ワクチン接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありません。また、接種ができない人、あるいは注意を必要とする人もいますので、接種にあたっては医師とご相談ください。

 帯状疱疹になりにくい体づくりのために、食事の栄養バランスに気をつける、睡眠をきちんととるなど、日頃から体調管理を心がけることが大切です。