腰痛を改善して元気な毎日をおくりましょう!
2021年4月15日号
土浦市医師会 大祢英昭(中央大祢整形形成外科)
土浦を元気に!中央大祢整形形成外科の大祢英昭です。新型コロナでテレワークでの長時間の座位、自粛による自宅整理などで腰痛を感じる機会も増えてきたのではないでしょうか。ここでは腰痛の種類、原因、治療について解説します。
腰痛ガイドラインでは、腰椎から脳に至るあらゆる部位でさまざまな病態が関与しているとされています。腰痛を感じてから1か月以内は急性腰痛、3か月以上持続すると慢性腰痛と定義されています。
急性腰痛:活動性維持、鎮痛薬内服や湿布、腰椎コルセット、理学療法などが有効です。
慢性腰痛:局所の治療だけでなく脳も含めた疼痛の回路の治療も必要となります。弱い麻薬成分、うつ病やてんかんの治療に用いられる薬が有効です。ふらつきや眠気、悪心、嘔吐が問題となります。
腰痛の種類は実にさまざまで年齢、性別によっても異なります。ここでは腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、骨粗しょう症性椎体圧迫骨折について解説します。
腰椎椎間板ヘルニア:腰椎の間にあるクッションをつい椎間板といいます。膨隆した椎間板が神経を圧迫することにより腰痛、下肢痛が発生します。鎮痛薬で効果がなければ手術が考慮されますが、最近は椎間板注射で治療ができるようになりました。
腰椎分離症:腰椎後方の疲労骨折です。運動選手の腰痛に頻度が高く、早期に硬性コルセットでの治療を開始すれば予後が良好なため、早期診断が重要です。
骨粗しょう症性椎体圧迫骨折:65歳以上の女性の腰痛、身長が縮んだ、背中が丸くなったという方は注意が必要です。痛いのは10人に3人ほどです。腰痛が強く起き上がれない方は、椎体にセメントを注入するBKPという手術があり、疼痛も速やかに改善するとてもいい手術です。
なかには大動脈解離、化膿性脊椎炎、がんの骨転移など命に関わる腰痛もあります。長引くときには悩まずに専門医の受診をおすすめします。腰痛を改善して元気で充実した毎日をおくりましょう!