うつ病の予防

2019年5月15日号
土浦市医師会 上月英樹(土浦メンタルクリニック)

 うつ病の有病率は高く、「こころのカゼ」と言われているくらいです。皆さんが、うつ病に対して持っていらっしゃるイメージとほぼ同じで、気分の落ち込みもしくは興味の喪失があり、食欲、睡眠、性欲に大幅な変化が生じ、2週間以上そのような状態が続いた場合は、うつ病もしくはうつ病疑いということになるので、出来るだけ早く医療機関を受診することをおすすめします。
 では、うつ病の予防は可能なのでしょうか。うつ病といっても様々で、何の前ぶれも、契機もないタイプは、予防は難しいでしょう。うつ病イコールストレスではないものもあることを肝に銘じてください。
 それでは、前ぶれやストレスと関連のあるタイプはどうでしょうか。
 うつ病は、真面目で、抱え込みすぎる人がなり易いため、特に完全主義的傾向がある人は要注意です。
①完全は理論上のものであり、実人生、実生活ではあり得ない。特に人間関係と自分のこころとからだの状態に完全を求めると苦しくなります。
②多くのことについて複線化を図る。これしかないと考えると、失ったときのダメージが多く喪失体験がうつをひきおこします。
趣味、人間関係などについて、様々なバラエティをもつことをお勧めします。
③エクササイズ、運動を積極的に取り入れましょう。外国の軽いうつ病の治療の第一選択は運動療法が多いです。(日本は薬物療法ですが)。少し煮詰まったら散歩してみましょう!見える風景が変わると、気分も変わりますよ。ただし、重症のうつのときはダメです。散歩中あらぬ方向へ行ったりすると危険です。

まだまだありますが、知りたい人はお気軽に専門家のところへおいでください。