花粉症

2010年2月16日号
土浦市医師会 久松雄志(久松耳鼻咽喉科皮フ科医院)

 春も近くなりそろそろ花粉症が不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。花粉症は春のスギ やヒノキによるものが有名ですが、春だけではなく夏 や秋にも花粉症はあります。症状としては水様性鼻漏、 鼻閉、くしゃみが主ですが、ほかにものどや眼のかゆ みなどもあります。県南地区のスギ花粉の飛散開始時 期は2月10日から2月20日ごろ、飛散量は例年よりやや 少なめと予想されていますが、今年の飛散はやや早め のようです。また、少なめと言っても飛散量の多い日は、 症状が出やすいので注意が必要です。

対策

まず花粉を避けることです。
(1)花粉情報に注意する。
(2)飛散が多い時期は外出を控える。
(3)室内では窓や戸を閉めておく。花粉除去に効果の ある空気清浄機を使用する。
(4)外出の際はマスク、メガネ(できればゴーグルタイ プ)、つば付きの帽子を使用する。花粉の付着しやすい服装は避ける。
(5)帰宅時、衣服や髪の花粉を よく払い入室をする。洗顔や うがいをして、よく鼻をかむ。
(6)掃除をよく行う。 

治療

(1)薬物療法
最近は季節前投与と言って、花粉飛散開始の約 2週間前から薬を服用することが勧められています。季節前投与を行ったときと行わないときでは、 行ったときの方が花粉症の症状が出にくくなります。治療には抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、 ステロイドなどが使われます。
(2)減感作療法
花粉成分を体内に取り込み、花粉によるアレルギー反応を起こしにくくする方法です。
(3)手術療法
レーザーや高周波、メスなどで鼻粘膜を焼灼したり、切除したりします。それぞれ長短所があり、鼻内の形や症状経過などにより治療方法は変わります。
 
皆さんは春に鼻漏、鼻閉というとまず花粉症が気になると思いますが、ほかに副鼻腔炎や鼻中隔彎曲症などを合併していることもあり、そのときには花粉症の薬だけでは症状が改善しないこともありますので注意が必要です。