脳卒中の予防について

2010年1月15日号
土浦市医師会 加藤雅史(土浦中央クリニック)

 脳卒中は寝たきりになる病気の第一位です。脳卒中には、脳の血管が詰まって起こる梗塞(こうそく)と脳の血管が破れて起こる出血があります。

 脳卒中を予防するには、次の6項目に対処することが必要です。
  (1)高血圧
  (2)糖尿病
  (3)脂質代謝異常
  (4)心房細動
  (5)喫煙
  (6)大量の飲酒 

 今回は特に重要な(1)高血圧(本態性高血圧)と(5)喫煙についてお話しします。

 高血圧は動脈硬化を進展させるので積極的に改善しましょう。高血圧には、遺伝因子(両親から血圧が上がりやすい体質を受け継ぐ)や環境因子が関与しているといわれています。環境因子とは、塩分の取りすぎや運動不足、食事の取りすぎによる肥満などの生活習慣のことです。生活習慣を改善しても、正常血圧にならないときには降圧剤を服用しましょう。正常血圧は年齢やほかの病気のあるなしで多少違います。一般には家庭血圧で135/85㎜Hg未満を目安にするべきです。この数値を超えていればいるほど、脳卒中になる確率が高くなります。積極的治療で脳卒中を予防しましょう。

 次に、喫煙は肺がんなどさまざまながんの危険因子であると同時に、脳卒中の危険因子でもあります。喫煙により酸化ストレスと呼ばれるダメージを身体に与えることで、動脈硬化を促進します。そのため、長年にわたり大量喫煙することで脳卒中を引き起こします。ところで、ニコチン依存症の方が、禁煙することは非常に困難を伴います。しかし、最近ではさまざまな禁煙補助剤を使った禁煙外来があります。ご利用いただき、是非禁煙して下さい。

 皆さんの強い意欲で、脳卒中を予防しましょう!