新型インフルエンザの予防

2008年10月15日号
土浦市医師会 今高國夫(烏山診療所)

 新型インフルエンザとは、鳥などのインフルエンザウイルスが変身し、人から人へ感染するようになったものです。世界的大流行が10年から40年程度の周期で起こるとされています。大正7年に「スペインかぜ」、昭和32年に「アジアかぜ」が流行し、「スペインかぜ」では、約4000万人、わが国では約39万人が死亡しました。現在、東南アジアで鳥インフルエンザの流行が見られ、いつ起きてもおかしくない状況です。県では、県内人口の約1/4の人が発症し、外来患者数は最大58万人、入院患者は4万8000人、死亡者は1万5000人と仮定して、対策を講じています。

新型インフルエンザの症状と感染予防 

 38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強く出ます。さらに、気管支炎、肺炎、小児では中耳炎、熱性けいれんなどを併発します。咳、くしゃみ、つばで出されたウイルスを吸入することによって感染しますので、外出後の手洗い、マスクの着用、人混みや繁華街への外出を控えることが重要です。十分に休養をとり、体力や抵抗力を高め、日頃からバランスよく栄養をとること。咳やくしゃみにはティッシュで口・鼻を覆い、1m離れる。マスクを着用することが大切です。

 患者が発生したときは、保健所などに設置される「発熱電話相談センター」に連絡し、都道府県等が指定する医療機関など(発熱外来)を受診してください。

 薬剤は、抗インフルエンザウイルス薬が有効で県が備蓄しています。また、予防ワクチンとして、プレパンデミックワクチンとパンデミックワクチンがあります。前者は医療従事者やライフライン従事者などに、接種することを予定しています。後者は、効果はより高いが、実際に新型インフルエンザが発生しなければ製造できません。これは国民全員を対象にしています。

 今から、不安と混乱を解消するため、県民への情報提供を迅速・的確に行う準備がなされています。正しい知識、冷静な対応が必要です。