生活習慣病
2007年8月15日号
土浦市医師会 東郷孝男(東郷クリニック)
日本人の食生活が、昔から変わってきています。世の中においしいものがたくさん出回り、飽食の時代となり体重の増加や肥満が見られるようになりました。
その結果、現代では脳血管障害や心筋梗塞などが多く、その原因は動脈硬化です。そのため日本人の平均寿命は世界一ではありますが、実際は平均5年以上寝込んでいる実態が問題となっています。寝込む原因は、脳梗塞後遺症などの脳血管障害がほとんどです。脳血管障害の原因は動脈硬化であり、健康で長生きの秘けつは血管を長生きさせることで、そのためには動脈硬化を未然に防止することです。
動脈硬化を予防するには、動脈硬化の原因として、(1)肥満、(2)高血圧、(3)高脂血症、(4)糖尿病が挙げられ、併せて死の四重奏と呼ばれています。この中でも特に肥満が問題とされています。メタボリックシンドロームの多くは、内臓脂肪の蓄積にあるとされています。したがって、内臓脂肪の蓄積が一番問題であり、これを治さなければなりません。さらに高血圧、高脂血症、糖尿病の2つ以上をもつ方はメタボリックシンドロームと呼ばれ普通の人の30~50倍動脈硬化になりやすいとされています。内臓脂肪を減らすためには、体重を10%減らすだけでも効果があるとされています。
高血圧、高脂血症、糖尿病の正常値は次のとおりです。
高脂血症(総コレステロール220mg/dl未満、中性脂肪が150mg/dl未満)、高血圧(年齢によって差はありますが、70歳以上では140/85mmHg未満)、糖尿病(空腹時血糖110mg/dl以下、ヘモグロビンA1c6.5%以下)。
いずれの疾患も生活習慣、特に食事に注意することが重要です。塩分の摂取を控える、脂肪分も控えて太らないようにすること。さらに糖尿病については、特に糖(甘いものすべて)の摂取を控えるなど、本人の自己管理が必要です。
また、生活習慣病にならないようにするには・・・
(1)若いうちからバランスの良い食事を取る。
(2)70歳を過ぎたらかかりつけの医者で定期的に検診を受け、病気にあった薬を飲み、毎日の生活を規則正しくすること。
以上のことを守って長生きしましょう。