更年期障害

2007年7月18日号
土浦市医師会 中山陽比古(中山産婦人科医院)

 女性は、40歳代になると卵巣の働きが次第に低下し、45歳から55歳で完全に卵巣の働きが終了し閉経を迎えます。この成熟期から老年期への移行期を更年期と呼び、どなたにも訪れるものです。更年期に見られる「のぼせ」、「発汗」、「冷え」、「動機」、「肩こり」などの身体症状や、「落ち込み」、「抑うつ」、「イライラ」、「不眠」などの精神症状を更年期障害といいます。きっかけは、女性ホルモンの急激な減少によって引き起こされますが、ちょうど社会的、家庭的な環境変化もこの時期に多くみられますので、これらの要因が深く絡み合っていると考えられます。更年期障害の症状は、本人にしかわからないとてもつらいものですが、多くの女性は「年のせいだから」とか、「病人になんかなっていられない」とかで、頑張ってしまうように見受けられます。それでよいのでしょうか?更年期障害は、著しく生活の質を落としますので、「頑張らないで」、「我慢しないで」、正しく向き合って解決をさぐり、元気なお姿を一日も早く取り戻していただくことを私たちは望んでいます。
 趣味を楽しむ時間を持ったり、運動することも、一つの方法でしょう。そうした中で新しい友人とも出会え、新しい経験をする機会も増えるでしょう。
 また、食事に気をつけることも大事です。過食に注意して、バランスの良い食事を取るようにしましょう。軽度の更年期障害はこうした努力により解決できるはずです。医学的なアプローチとしてはホルモン補充療法、漢方薬があります。ホルモン補充療法は、少なくなった女性ホルモンを補うもので極めて合理的な方法です。副作用にしても、きちんとした医師の管理のもとでなされるのですから、より安全と考えられます。漢方薬も、自分に合う薬が処方されれば大変良い結果がでると思います。
 繰り返しますが、年のせいとあきらめないで、正しく向き合い、健康に老いる人生を目指してください。