花粉症の最新治療について
2016年2月16日号
土浦市医師会 久松雄志(久松耳鼻咽喉科皮フ科医院)
暦の上に春は立ちながら、厳しい寒さが続いております。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
2014年10月よりスギ花粉症の舌下免疫療法が保険適応となりました。免疫療法とはアレルギーの原因物質を少量から体内に投与して体を慣れさせる治療法です。
今までは、皮下に注射をして免疫療法をしていたものを、舌下に薬を滴下することにより、注射よりも簡便に治療できるようになりました。
この治療によりアレルギー症状を軽くしたり、アレルギー治療薬を減量できる可能性があります。
しかしながら以下のような注意事項があります。
- 極々稀ですが、ショックなどの重大な副作用が起こることがあります。
- 毎日の服用が必要で、だいたい3~5年はかかります。
- 全ての服用者に効果が期待できるわけではありません。
- 市販薬ではないので、少なくとも月に1回の受診が必要です。
- いつでも治療が開始できるわけではなく、スギ花粉の飛散時期は開始できません。他の時期に開始した方は、この時期も服用を続けます。
- 薬を服用する前後2時間程度は、激しい運動、飲酒、入浴などは避けて下さい。
- 他の薬剤を服用している方は、その薬剤の種類によっては免疫療法ができない場合もあります。
- 年齢的な制限もあります。
- また、効果があって終了した場合でも、その後効果が弱くなる事もあります。
その他にも注意事項があるので、詳細は舌下免疫療法実施施設にご相談下さい。
皆さまの症状軽減の一助となれば、幸いです。