アレルギー性鼻炎について

2006年2月15日号
土浦市医師会 芳田之(耳鼻咽喉科よしだクリニック)

 アレルギー性鼻炎では、原因となる物質が鼻粘膜に浸入すると、アレルギー反応を起こし、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が現れます。
 その原因となる物質には、さまざまなものがあります。花粉もその中のひとつです。
 花粉症の中で最も多いのは、スギ花粉による「スギ花粉症」です。ただし、これは日本だけの話しです。杉は、日本固有の植物であるため、ほかの国ではほかの植物アレルギーのほうが重要になります。カモガヤやハルガヤなどのイネ科植物、ブタクサやセイタカアワダチソウなどのキク科植物等々、季節によってさまざまで、国や地方によっても重要度が変わってきます。
 花粉症以外のものとして、ヤナヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニなどのダニやカビ、室内のチリつまりハウスダストなどもアレルギーを引き起こします。
 「スギ花粉症だ」と思っても、違う場合もあります。自分のアレルギーの原因を知るには、やはり検査を受ける必要があります。
 もっとも一般的な検査は、血液検査です。少量の血液を採取し、花粉症やアトピー性皮膚炎などのときつくられるIgE抗体という特殊な抗体が、あるかどうかを調べます。
 抗原と抗体は鍵と鍵穴の関係なので、どのIgE抗体があるかによって、なにが抗原かわかります。
 自分のアレルギーの原因がわからないと、対処法を間違ってしまうこともあります。たとえば、ハウスダストのアレルギーなのに、スギ花粉だと思い込んだ場合、部屋に閉じこもりエアコンを使い続けていたら、よけいに症状を悪化させてしまうことになります。
 どう対処するかは、自分のアレルギーのタイプを見極めながら考えましょう。