アトピー性皮膚炎治療の第1歩
2005年7月15日号
土浦市医師会 鶴町和道(鶴町皮フ科クリニック)
Q:アトピー性皮膚炎で、ステロイドを使用しています。使用したときは治りますが、また再発します。ステロイドを使用しないで、症状を改善することはできますか。
A:ステロイドを使用する、しない以前に、アトピー性皮膚炎でもっとも重要なことは、原因や悪化要因の排除を目的とした生活改善を行うことです。
病気は、人間側の要素(病気になりやすい体質)と環境(外因)とで発生します。アトピーが増加している第一の理由が、環境の悪化であるわけです。
まずは食物についてですが、乳児では母乳や粉ミルクも原因となります。母乳の成分は、母親の食物によって左右されます。ミルクは、人によって合うものが違いますので、実際に低アレルギー性のものをいくつか試してください。乳児から成人および乳児の母親の食事ですが、卵・牛乳・大豆といったたんぱく質によるアレルギーが一般視されています。
しかし、実際に患者の方が自ら悪化を実感するのがチョコレート、油で揚げたスナック菓子など高脂肪食です。高たんぱく、脂肪は十分に分解、排泄されないと中毒物質に変化しやすいので、まずは治療の1週間は極力野菜と穀物中心の食事に変える必要もあります。症状が改善すれば、徐々に元の食事に戻します。また、便通を整えるために、食物繊維を多く摂り、宿便の排出に心がけてください。
次に、シャワーや風呂の水の塩素を除去します。アトピーでは、塩素に対する刺激で悪化することが非常に多いからです。また、ダニやほこり、カビの除去も欠かしてはいけません。選択の柔軟剤や漂白剤も中止してください。
ステロイドを長く使用している場合は、急にやめるとリバウンドを起こしやすいので弱いものに変えて、徐々にやめるのが無難かもしれません。今まで、ステロイドに頼った治療を行っていた方は、まずは自分の生活を改善することを最初に行うことが重要です。