骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
2005年5月17日号
土浦市医師会 友常勝正(友常医院)
老人になると骨が弱くなり、小さな外相で背骨が骨折したり、転んで股関節を打撲して、大腿骨の股関節近くを骨折したりする割り合いが増えてきます。また、骨折を起こさなくても、原因なく腰や背中、間接周辺の骨が痛んだりすることがおきてきます。
このような症状を起こす、骨密度の低下した状態を骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と呼んでいます。
この病気は、食事の際に小魚や牛乳・チーズなどの乳製品を摂取したり、散歩などの軽い運動を続けることにより予防することが大切です。
また、この病気と診断されたときは、食事療法・運動療法などを担当医に教えてもらい続けるとともに、薬を飲むとよいでしょう。薬には現在、カルシウム製剤、エストロゲン製剤、活性型ビタミンD3、カルトニン製剤、イプリフラボン、ビタミンK2、ビスホスホネート製剤、塩酸ラロキシフェンなどが使用されています。これらの薬は各々特徴があり、また、特有の副作用もありますので、担当医や薬剤師に相談するとよいでしょう。
この病気は、重症化して寝たきり状態に近くなってから治そうとしても、最も有効な薬が使えなくなるなど、患者さんにとっても不都合が生じてきますので、早期発見・早期治療が重要となってきます。
骨粗鬆症の予防は、閉経後の女性が一番発症しやすいので、この病気について自分の身体の状態を知りたい方は、整形外科などで骨塩定量検査や骨代謝検査などの検査を受けるとよいでしょう。