しみ・そばかす・ほくろについて
2015年7月15日号
土浦市医師会 鶴町和道(鶴町皮膚科クリニック)
化粧品でも、しみ(美白、美肌)用のものは出ていますが、化粧品は元来、治療を目的とする医薬品ではないので、当然効果はあまり期待できません。
一方、医療は、あくまでも治療を目的としています。この、しみ、しわ(美白、若返り)に対する皮膚科的治療は、レーザー療法を主体に、ここ10数年飛躍的に進歩し、著しい効果を出しています。
使用するレーザーですが、これは、何十種類もあり、一台一台、光の波長や照射時間などに違いがあります。治療の際は、それらを各症状や肌質に合わせて選択したり、また、いくつかのレーザーを組み合わせて、同時に照射します。しみが一部の場合は、その部分だけに、顔全体にしみやくすみがある場合には、もちろん全体にレーザーを照射します。
治療の効果としては、色素が分解してしみがなくなる、薄くなる。くすみが取れて透明感が増す。コラーゲンが増え弾力が増し、肌に張りが出て、小じわが改善する。毛穴が縮小し、脂の出が少なくなり、化粧ののりが良くなる。毛細血管の開きがなくなり赤ら顔が改善するなどです。レーザー以外の方法としては、ビタミンCやトラネキサム酸の内服。ビタミンCクリーム、ハイドロキノンクリーム、しわにも有効なレチノイドクリームの外用剤があります。
また、思春期から見られるしみの一種にソバカスがありますが、これはレーザーがとても効果があるので、気になる方は受けられるとよろしいでしょう。
次にほくろですが、ほくろを取りに来られる方は、美容的見地から実に大勢います。ドーム状に隆起したほくろは、レーザーメスを用いて除去します。除去後の皮膚は丸くへこんだままで、縫合しませんが、10日くらいでふさがります。平らなほくろは、もっと簡単で、黒い色素を分解するレーザーを月に1~2回の割で、薄いほくろは2回程、濃いものでも3~4回の照射できれいに消失させられます。