風しんについて

2013年10月15日号
土浦市医師会 石川和明(石川クリニック)

 風しんは三日ばしかとも呼ばれ、風しんウイルスによって起こる発しん性感染症です。感染して2~3週間の潜伏期間の後に、発しん、発熱、リンパ節の腫れなどが起こります。一度かかると、大部分の人は二度とかかることはありません。風しんは、昨年来、日本中で猛威を奮っています。風しんは、妊婦さん、特に妊娠初期の女性に感染すると、おなかの中の赤ちゃんに感染し、耳のきこえ、心臓、目、精神や体の発達に障がいが出る可能性があります。
 今年の感染者は昨年よりはるかに多く、そのうちの9割は成人で、男性が女性の3.5倍に上ります。感染者は、男性は特に20~40代に多く、女性は20代に多くみられました。そのため、男性は、奥様やパートナーの方がこれから妊娠のご希望のある場合には、早めにワクチン接種を受けましょう。また、これから妊娠を希望する女性も、早めのワクチン接種をお勧めします。ただし、女性は風しんワクチン接種後、2か月は妊娠を控えるようにしてください。妊娠中の方はワクチン接種を受けることはできません。すでに出産を経験されている方でも、妊娠中に「風しん抗体価が低い」と言われた方は、感染する危険があるため、ワクチン接種を受ける必要があります。一度、出産された時の母子手帳などをご確認ください。
 今夏はワクチンの希望者が殺到したため一時的にワクチンが不足しましたが、現在はほぼ安定して供給できるようになりました。来年も流行することが予測されますので、希望される方は早めにワクチンを接種しましょう。  なお土浦市では、妊娠を予定、希望されている女性や、妊娠している女性の夫(いずれも19~49歳。ただし、これまでに風しんにかかったことのある方、および風しんの予防接種を2回受けた方は除く)に、来年3月までは、風しん予防接種費用の一部を助成する制度があります。